12/08/14 ’12北海道ツーリング3日目

08/14(火) 晴 栗山-幌内-幾春別-桂沢湖-大夕張-清水沢-新夕張駅…小樽駅 99km ルート図

(文:高森千穂)
 天気予報どおり、本日は快晴。ホテルは栗山町の標高100メートルほどの小高い丘の上にあるため、穏やかな農村風景が一望できた。昨日は雨と霧で何も見えなかったのだが。
 道道30号を北上する。稲を中心とした穀倉地帯だが、クルマの通りは結構ある。お盆休みなので、お出かけする人が多いのだろう。
 間もなく道道38号との重複区間に入る。おととい走った道だ。岩見沢市立メープル小学校にも再会。おとといは美流渡方面へ右折したが、今日は三笠方面へ直進だ。
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 岩見沢から三笠方面へは、かつて幌内線がとおっており(昭和62年廃止。現役の姿を見たことはあるが、私は乗ったことはない)どの駅跡にも石碑が置かれている。
 旧萱野駅はきれいに残っており、ライダーハウスとなっていた。ライダー1名とサイクリスト1名が、昨日の雨でぬれた荷物を、旧プラットホームで乾かしていた。ライダーハウスを覗くと、畳もひかれ、テレビもあり、快適そうだ。1泊1000円とのこと。
 幌内線跡をたどるように、道道917号を進む。三笠の町は、北海道遺産「北海盆踊り」を売りにしており、三笠中央公園には、見事なやぐらがたてられており、朝から露店が営業をしていた。
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 旧三笠駅(旧幌内太駅)は、大きな交通公園・クロフォード公園になっていた。昔の特急車両も展示されていて、訪れる人もそれなりにいてにぎやか。近くのセイコーマートで、昼食用のおにぎりや水を確保した。
 旧唐松駅は、いい感じの木造駅舎だった。札幌ナンバーのクルマに乗った親子が、たくさんの写真をとっていた。
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 道道116号に合流すると交通量が増える。札幌方面から富良野への近道だかららしい。途中、住友奔別炭鉱の炭住が残っていた。建設当時は最先端の炭住だったそうで、古びてはいるがモダンな印象で現役である。住民の姿も見えた。
 旧弥生駅近くには弥生小学校があり、大きくきれいな校舎で、一瞬、現役かと思ったが、校庭には一面、雑草がびっしりと生えていた。2011年3月に廃校、さびしい風景だった。
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 幌内線の終着駅、旧幾春別駅はバスターミナルとなっていた。市街地は道が広く、大きな寺や旅館があり、かつてここが栄えていたことを感じさせる。そして、その市街地の向こうには、さび付いた立坑跡が見える。住友奔別炭鉱立坑跡だ。風化はしているが、往時をしっかりと感じさせる。ひっそりとした廃屋の並ぶ町、赤錆びた炭鉱跡、これもまた、北海道の一つの顔なのだと感じた。
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 バスターミナル前のコンビニで、水の確保と黒酢ドリンクで栄養補給した。また、「新三笠名物・石炭ザンギ」という、真っ黒なトリカラを売る店があったので、5個買っておやつにした。まだ10時半だったが、暑い日で、この後の峠越えを考えると、このおやつは有効だった。
 ちなみに、幾春別駅は、25年以上前、世の中が国鉄分割民営化問題で揺れていたころ「国鉄分割反対ミュージカル」が作られ、舞台になったところである。当時、私は地元公演を見に行ったが、ようやくその地を訪れたことになる。もう少し早く来るべきだった。あの頃、ここまでクルマ社会なるとは、私は想像できなかった。
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、幾春別の先、桂沢ダムは、ひっそりとしたダム公園で、ほとんどのクルマは無視していた。湖畔道路に降りてみたが、駐車場には1台のクルマもなく閑散としていた。
 やがて、道道116号は夕張と芦別を結ぶ国道452号に合流。直進すると芦別・富良野方面、右折すると夕張方面で、ほとんどのクルマが富良野方面へ向かうのでクルマ激減した。ただしバイクは結構、右折していたが。
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 国道452号の夕張に向かう道は、クルマの少ない静かなよい道で、おすすめである。ダムができる前の旧一般道の橋など、間近に見ることができる。熊が出そうな雰囲気だったので、熊鈴をチリチリ鳴らした。
 三夕峠を抜ける長い三夕トンネルを抜けると、再び夕張市である。トンネルを抜けた先の道路わきで昼食のおにぎりを食べる。
 大夕張が近づくと、国道が新しくなり、旧道はシューパロダム工事車のみが走れる道となった。ここから先、大夕張地区は、来年、シューパロダムが完成すると、水底に沈む予定の地だ。今年でなければ今の風景は見られなくなるということで、今回の旅の一番の目的の場所だった。
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 真新しい国道から、かつて町だった大夕張地区(ダム建設で276戸が移転)を眺める。建物はすでにすべて取り壊されているが、平地がかつてそこが「にぎやかな町であった」ことを物語る。平地には一面、黄色い花が咲き乱れている。住人が植えたものだろう。国道脇にクルマを止め、かつての町だった場所を見つめている老人が何人もいた。ここに住んでいた人たちが、最後の姿を見に来ているのかもしれない。
 国道沿いの工事中の広場(おそらくプチ公園になるのだろう)には、夕張東高校の昭和58年閉校記念の石碑があった。高台に建てられていたという高校。町は水底に沈んでも、この石碑だけはずっと残るのだ。しげしげと眺めていたら、観光に来ていた人から「ここの高校の卒業生ですか?」と聞かれてしまった。まあ、年代的にはあっているのだけれど。
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 旧道は基本「通行止め」だが、夕張岳へ続く道は、新道がまだできあがっていないため通行可能だ。私たちは、大夕張森林鉄道の遺構・三弦橋を見たかったので、夕張ダム方面へ行きたかったのだが、ここも「一般車は通行止め」。夕張ダム事務所へ電話をして許可を取れば通行OKとの情報を得ていたが、携帯電話は電波が通じていなかった。
 仕方なく、夕張ダムへの道をドキドキしながら走る。あたりまえだがクルマの通りは一切なく、多少いたんだ「元・国道」は、夕張ダム湖を横目にした、静かな道だ。旧大夕張森林鉄道の鉄橋もきれいに眺めることもでき、おすすめの道。来年、湖底に沈んでしまうのが残念である。
 道は大夕張ダム事務所で行き止まりに。ここからは三弦橋を間近に眺めることができた。事務所先のトンネルを抜ければ清水沢方面へ抜けられるので、通行可能か事務所の人に聞いてみると、「すでに工事中だから通行できない」とのこと。また、ここまでの道を走ったことは怒られず、大夕張ダムのダムカードもいただいた。
 トンネルを抜けられなかったので、来た道を数キロ引き返すが、帰りは「通ってもいいんだ」とドキドキしないですんだ。
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 シューパロトンネルを抜けて清水沢へ向かう途中、三菱大夕張鉄道の車両を保存した広場があった。広場周辺の元駅前商店や工場の廃屋が、かつてはにぎわっていたのだろうなあと感じさせた。この近くには、1981年の北炭夕張新鉱事故の慰霊碑があった。
 しばらく進んだ国道わきに、北炭清水沢発電所の遺構が見える。一瞬、現役かと見まごうぐらい、しっかりとした姿で残っていた。
 清水沢も夕張市の中では大きな町のはずだが、商店街はシャッター通りだった。清水沢の駅は、石炭を積んでいたと思われる広い構内が空き地として残っていた。清水沢駅付近は、昭和40年代に建てられた炭鉱労働者用の市営住宅が今も現役で、広場で子どもたちが遊んでいた。また、共同浴場も残っていた。
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 新夕張駅には16時過ぎに到着。本日の宿は小樽。ここからは輪行だが、列車が来るまで1時間半ほどある。駅前の道の駅「夕張メロード」(というか、スーパーに道の駅が併設された、という方が正しい。地元の人と旅行者でにぎわっていた)で、メロンソフトクリームを食べたり、駅の待合室でサッポロクラシックを飲んだりしながら時間をつぶした。
 夕暮れ時の新夕張駅は、夕日を浴びて、淋しさとともに「孤高の美しさ」のようなものを感じた。
 帯広発札幌行きの特急「とかち」の自由席は思いのほか空いていて、快適に札幌駅に到着した。ローカル列車に乗り換え、今日の宿泊地・小樽駅に到着したのは20時過ぎ。気温は22度と、すっかり涼しくなっていた。
 駅前のリーズナブルな宿にチェックインし、ホテル1階の寿司屋で夕食とした。廉価でおいしかった。
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