05/08/17 道北ツーリング5日目

8/17(水)晴れときどき曇り 60km
ゴロタ山-スコトン岬-澄海岬-知床-元地灯台-香深(フェリー)稚内
 今朝は7時半出発。久種湖畔を回ってから、スコトン岬へむかって道道507号を北上する。スコトン岬は、礼文島で最北の地だ。ただし、まっすぐスコトン岬へは行かず、ゴロタ岬へ寄ることに。江戸屋の集落から道道をそれて山道を選択、ゴロタ岬入口へ。すでにたくさんの人がトレッキングを始めている。岬へは入口から600メートル。自転車を置いて、高さ100メートルほどを徒歩で上る。

 すでに花の最盛期のおわった8月中旬であるが、トレッキングのための細い道の両脇には、まだまだ高山植物を見ることができた。岬の頂上では、青い海と、スコトン岬と澄海(スカイ)岬の両方を見下ろせた。(ただし虫にたかられたが。ここでも虫除けスプレーが役にたった)トレッキングならば、どちらも尾根伝いに歩いていけるが、自転車を置き去りにするわけにはいかないので、来た道をまたもどる。

 自転車に乗って、もう少し丘をのぼってから、スコトン岬目指してかけおりる。スコトン岬は、ほぼ日本の最北端。礼文島は初めての私だが「スコトン岬」と、岬のすぐ先にある「トド島」の名は、ずっと頭の中にインプットされていた。「とうとう、スコトン岬に来たんだ!」と大満足。岬近くには須古頓小学校があったが、ここは廃校になっていた。

 次に向かったのは、澄海岬。ゴロタ岬から、スコトン岬の反対側に見えた岬だ。途中、レブンアツモリソウ群生地の横を通るが、花の咲く6月以外はだれも足を踏み入れられないよう、入口は厳重に閉められていた。澄海岬はその名のとおり、コバルトブルーの入り江なのだが、なぜかこのときだけ空に雲がかかり、海の色が沈んでしまった。澄海岬の周りには軽食の店や土産物があり、トレッキング客のよい休憩所になっている。また、観光バスも立ち寄る場所なので、大変にぎわっていた。観光バスから降りた子どもに「あっ、自転車の人だ!」と声をかけられる。

 澄海岬をあとに、いったん船泊の集落にもどり、そのあと、金田ノ岬への道へ。昨日走ったエリア峠より、もう一本北の海沿いにある道だ。ずっと海にそって走るのだが、今日は浜に昆布を干す人の姿が目立つ。そういえば、朝五時ごろ、島内の有線放送で「本日は昆布漁を実施します。各港では5時半に旗をあげて……うんぬんかんぬん」と流れていたっけ、と思い出す。カンカン照りだった昨日は、昆布の姿は見なかったが、やや雲のある今日のような日の方が、昆布干しには向くのだろうか。それとも、お盆が明けたからか。小石をしきつめた浜の昆布干し場に、老人も子どもも、一家総出で、昆布を広げている。こうして自転車に乗って遊び呆けている自分が恥ずかしくなってしまう。

 そういえば、大学四年生の三月(卒業まで二週間というとき)、襟裳岬でもこんなふうに一家で昆布を干す姿を見た。ノンキな学生生活から社会人へ踏み出すにあたって「働くというのは生活をするということなんだなあ」と、妙に納得したっけ。あれ以来、19年間、なんとかサラリーマンを続けているが……(ほんとは早く辞めたい(^_^;)

 金田ノ岬には、船泊漁協直営の店があった。観光バスの昼食場所らしく、店の中では昼食の準備が整えられていた。昆布干しを見たばかりだったので、船泊産利尻昆布と漁協推奨品のぬいぐるみ「変身ゴマちゃん(トドのぬいぐるみがあざらしの着ぐるみを着ているもの)」を買った。
ここからフェリーターミナルのある香深までは単調な海岸道路、楽々だろうと思っていたら、またも向かい風に悩まされた。よろよろしながら、香深へ到着。16時20分発の夕刻便で稚内に戻る予定なので、ターミナルの食堂で食事をしたあと、大きな荷物をロッカーに預けた。フェリーの時間まで、まだ3時間半ある。

 当初の予定では桃岩展望台へ行くつもりだったが、昨日の道路を走るのはうんざりだったので(なにせ、120メートルのぼらなくてはならないのだから)、まだ走っていない島の南端、知床へ行くことにする。ところが、道道40号は走りやすい快適な道だったので、ものの30分で着いてしまう。

 知床から先には道はない。切り立った崖が行く手をふさいでいる。とても道をつけられるようなところではない。礼文島には、東海岸にしか道がないわけがよくわかった。海には漁をする小船が数隻。ほかには人の姿も無い。静かな風景をしばらく楽しんでいたが、このままではフェリーの時間まであきすぎてしまう。というわけで、知床の集落にある知床バス停から元地灯台へ、トレッキングコースを登ることにする。

 山を登るなり、腿が痛み始める。昨日、今日と、少し歩いたせいだろう。どんなに長距離自転車に乗っても、めったに筋肉痛にはならなくなっていたが、自転車とトレッキングでは、使う筋肉が違うらしい。登るに連れて、利尻富士の絶景が広がる。昨日と同じような景色を見ることができて感激。元地灯台へ行くことにしてよかった! 惜しむべきは、もう少し時間があれば、2キロ先の桃岩展望台まで歩けたことだ。4キロ歩いてしまうと、フェリーの時間に間に合わないはず。冷静に考えて「また時間がいっぱいあるとき(定年後?)に、トレッキングのために礼文島に来よう」と心に誓い、山をおりた。

 16時20分。フェリーにかけこむ客が数名。数分遅れで、フェリーは香深港を出発した。船はいままでで一番新しい「フィルイーズ宗谷」 今回も一等を予約していたのだが、意外と空いていたので、これならば二等でよかったと後悔。一番混むのは朝の船のようだ。

 今日は波も穏やか、風も弱く、船はほとんど揺れなかった。やはり、おとといのゆれ方は「特別」だったのだ。天気もよかったので、夕焼け空に赤くそまった礼文島と利尻島を、デッキから堪能した。「さよーならー」と、思わず島に手を振ってしまう。礼文島には、また、必ず行くからね、と心の中で語りかけた。

 稚内港には定刻どおり到着。今回も自転車はたたまずにそのまま預けていた。そして、一番に船から出ることができた。通常は、車が全部でてから、自転車やバイクは下船できる。ところが係りの人が「早く出ておいで」とばかり手招きしてくれたおかげで、さっさと下船。預けられていた自転車がたったの三台だったからかもしれない。いつの間にか、旅行客が減っていたのだ。もうお盆休みは終わり。三日前に防波堤にたくさんキャンプしていたバイクや自転車も、この日は半減していた。

 18時40分。南稚内にある


旅館いわ木
に到着。今日の宿は「旅館」だけれど、事実上はビジネスホテル。バス・トイレが部屋についた畳の部屋で、改装したでてとてもきれいだった。素泊まりなので、南稚内の繁華街(といっても、せいぜい200メートル程度だが)にある「つぼ八」へ行く。「つぼ八」、かつては関東圏でもずいぶん見かけたが、最近、うちのまわりの「つぼ八」は、すべて別の店に変わっている。けれども、北海道で一番よく見かけるチェーン店の居酒屋は「つぼ八」だ。発祥の地だけある。(つぼ八は、北海道がルーツなのだ) 南稚内は、稚内に比べて、地元の人のための飲み屋が多いように感じた。お盆も終わり、また平日のせいか、繁華街はにぎわっていた。「つぼ八」には、ロシア人も飲みに来ていて、「おおっ」と思ってしまった。

 この日は、第二回目の荷物交換日。またも、清潔な衣類を取り出し、汚れた衣類とお土産を自宅に送り返した。

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